生酒?原酒?製造工程で違う5つの”生”とは?美味しい飲み方もご紹介!

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日本酒の種類

一言に日本酒といってもいろんな種類があります。

とくに、日本酒ビギナーの方に見うけられることですが、吟醸酒や大吟醸酒などの「特定名称酒」の違いについてはなんとなく分かる、けれども「生酒や原酒と呼ばれる日本酒は普通の日本酒と何が違うのか分かりますか?」と聞くと答えられない方が多いです。

そこで、この記事ではそんな日本酒初心者さんのために、「吟醸酒や大吟醸酒」からもう一歩踏み込んだ知識「日本酒の”生”について」をわかりやすく解説していきます。

まずは日本酒の基礎をおさらいしよう

一歩踏み込んだ知識、の前にまずは日本酒の基礎の基礎についてしっかり覚えているか復習しましょう。

「もうしっかり覚えてるよ」「復習なんか必要ないよ」というかたは製造工程によって違う日本酒の5つの”生”の項までとばしてください。

そもそも日本酒とは

酒税法第三条第七号によると

次に掲げる酒類でアルコール分が二十二度未満のものをいう。
・米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの
・米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量の百分の五十を超えないものに限る。)
・清酒に清酒かすを加えて、こしたもの
出典:wikipedia

とあります。

もう少し簡単に言うと、
「米、米麹、水」を原料としていて
「こす」という作業をした
「アルコール分が22度未満」の飲料。
となります。

※「こす」とは「もろみを原酒と酒粕に分ける」作業。ろ過とはちょっと違います。
※「こす」作業をしないと「どぶろく」と呼ばれます。
※「アルコール分が22度以上」になってしまうと日本酒ではなくリキュールと呼ばれるお酒に分類されます。

日本酒の特定名称酒とは?

上記の日本酒の定義に加えてある一定の条件を満たしたものを特定名称酒と言います。
よく「大吟醸」とか「純米吟醸」とか言うそれです。

それぞれの呼び方を大まかに分けると以下の表のようになります。

特定名称酒呼び分け表

日本酒の精米歩合とは

お米を磨いたときどの程度削られたかという度合いを表す数値になります。

精米歩合

吟醸酒なら精米歩合60%です。ということは40%程お米を削っていることになります。

お米を磨くと何が違うの?

お米の中心部(心白)ほど雑味がない。
つまりお米を磨けば磨くほど、香り高くスッキリとした味わいの日本酒になります。

じゃあお米をよく磨いてある純米大吟醸が一番おいしい日本酒なのか!と言われるとそうとも言い切れませんが、お値段は高くなります。

製造工程によって違う日本酒の5つの”生”

上記のおさらい編、ちゃんと覚えていましたか?

ではここからもう少しだけ日本酒の呼び方についての知識を深めていきましょう。
数ある日本酒を見ていると「生酒」とか「原酒」なんて言葉がでてきます。
日本酒は搾った直後だと、もろみに含まれている不純物が混ざっていて、色も出荷時のような澄んだ無色透明ではなく黄色かかった色をしています。
このままだとどんどん変質してしまうため、滓引き、ろ過、火入れといった工程を経てきれいな透明になって出荷されます。
※滓引き……安置してなかの滓を沈殿させること
そういった搾った後の工程を省いたお酒を生酒、原酒と呼ぶのですが、どの工程を省いたかによって呼び方も変わってきます。
生酒と原酒の分け方
生酒や原酒などを分けるときに注意する工程は「火入れ」と「加水」の二つ。

生貯蔵

搾ってから滓引き、ろ過をした後に火入れをしないもの。出荷する前に一度だけ火入れします。
生の状態で貯蔵する時間が長いため、特有の風味が生まれるのが特徴の日本酒です。

おすすめの生貯蔵酒

上撰 白鶴 ねじ栓生貯蔵酒 300ml


価格もサイズもお手頃な生貯蔵酒。
端麗な味わいで冷やして飲むのが大変人気です。
甘すぎず、若干辛口でフルーティーな香り、すっきりした後味でバランスの良い日本酒です。
和食との相性抜群!
日本酒歴の浅い方にも是非おすすめな一本。

生詰め

生貯蔵とは逆に滓引き、ろ過した後に火入れをして出荷前に火入れをしないものを言います。
生貯蔵酒との大きな違いは加水した後に火入れをしないこと。
出荷前に火入れを行う理由は加えた水のなかにお酒の品質を変化させる菌が入っているかもしれないので、殺菌目的で行われます。
生詰め酒は、水を加えてからあえて火入れをしないことで適度なフレッシュ感と穏やかな味わいが楽しめます。
秋ごろに出荷されるものを「ひやおろし」ともいいます。

おすすめの生詰め酒

【秋季限定】菊水 純米吟醸 ひやおろし 720ml


秋限定で販売される新潟/菊水酒造のひやおろしです。
出荷前の火入れをしないため丸みがあり、非常に穏やかな香りと味わいです。
料理の味を邪魔しないので食中酒としておすすめ。
素直でクセのない味わいは日本酒初心者の方にもおすすめです。

生酒

本生とも。
一度も火入れ(殺菌処理)をしない完全な生の状態のお酒です。
ろ過した後も出荷前も火を入れないため、酵母が生きているので温度管理を怠るとお酒が変質してしまうとても気を遣う造り方です。
流通にも気を使うため販売店は限られています。
はっきりとしたフルーティーな香りと酸味が強く、フレッシュ感あふれる味わいが特徴。
ですが劣化が早いので早めに飲み切らないと生臭さが出てしまいます。

おすすめの生酒

須藤本家 郷乃誉(さとのほまれ)純米大吟醸 生々



地元茨城ではメジャーな銘柄です。
トロッとした飲み口で華やかな香りにとげがなく、万人受けする生酒です。
日本酒歴の浅い方も深い方もおすすめな一本。

原酒

“原”がつくのは加水しないお酒です
原酒の場合、加水はせず、火入れだけします。
水を加えないのでアルコール度数が高いものが多いです。

おすすめの原酒

加賀鳶 純米大吟醸 極上原酒720ml


キレが良いのが特徴の日本酒です。
原酒らしく米の強い旨みと華やかな香りが上品且つ濃厚にまとまっています。
アルコール度数がやや高いですが、まろやかで飲みやすいです。
高級感のある日本酒なので贈り物にもおすすめ。

生原酒

加水も火入れもしない造り方。色も無色ではなく黄色かかった透明をしています。
品質管理に非常に気を使う作り方ですが、日本酒本来のしっかりとした旨みが楽しめます。
調整が加わらないので、銘柄や出荷時期によって様々な味わいになります。

ノンべおすすめの生原酒

風の森 純米 秋津穂65磨き しぼり華 無濾過生原酒 720ml


“無濾過生原酒”なので火入れ、加水をしないだけでなくろ過もしない本当に搾ってそのままの日本酒です。
微発砲で爽やかな甘さが特徴。
生原酒らしくフレッシュ感にあふれ、しっかりとしたコクと旨みが味わえます。
大変人気で売り切れもしばしばあるので機会があればぜひ一度飲んでみる価値のある日本酒です。

まとめ

日本酒の名前についてよく耳にする基本的な種類だけに焦点を合わせて解説して参りました。
これを知っていれば通ぶれる……わけではありませんが、何も知らないよりは日本酒を楽しめることは間違いなし!

これを機に生酒の製造工程の違いや日本酒の種類を覚えて、素敵な日本酒ライフを満喫してくださいね。

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